阪九フェリーで新門司の港に着き、青の洞門、耶馬溪と観光した後、英彦山へと走った。
高住神社の駐車場に車をおいて、ブロンプトンで参道のある登山口までダウンヒル。登り始めは正午をまわっていた。歴史を感じさせる石段を登りながら、僧坊を覗き見ていく。最盛期の頃には、いったいどのくらいの人がいたのだろうか。私の身近な雪彦山も日本三彦山の1つだが、ここのような遺跡は見当たらない。
中岳頂上から北岳へとまわり、高住神社へと下りた。なかなか歩きにくい道だった。九州英彦山は修験道のにおいの濃い見所が多い山である。
脊振山は福岡と佐賀を分ける山で、頂上直下まで車で上がれる。道が通じているのは、航空自衛隊のレーダー基地があるから。その側の駐車場に車をおいて、ブロンプトンで5km下った。
そこが田中登山口で、2本の登路がある。メインのコースを避けて、矢筈峠の方をとったが、あまり歩かれてないようで、倒木や笹がうるさかった。
矢筈峠には、舗装された車道が通じていて、そこを歩くほかないのだが、快晴の今日、展望がすばらしく良かったのが救いだった。
駐車場までたどり着き、わずかな距離を登って頂上に立つ。古い石の鳥居などの宗教遺跡とレーダードームのアンバランスが強烈な印象である。
午前を内子と名護屋城の観光でつぶしてしまったので、登れる山は限られる。1時間ほどで頂上に立てそうな黒髪山にする。
乳待坊の林道の終点まで車を走らせた。途中で道を尋ねた婦人たちは、ちょうど下山してきたところ。午後1時半からの入山というのは、ほめられたものではない。でも行く。
山道はよく踏まれていて、一部に岩場があるものの問題となるほどのものではない。頂上は天童岩という露岩で実に展望が良く、涼しい風が渡っていた。ここで、唐津で買ってきた松露饅頭を食べながらお茶にした。
西光密寺経由で下山したが、ここまで車道が通じていたから、この方が最短だったのかもしれない。
いい加減な山歩きばかりしてきたので、今日は、佐賀県の最高峰である経ヶ岳をしっかり歩こうとやってきた。
中山キャンプ場を起点に経ヶ岳へ登り、多良岳へと縦走して、元へと戻るコースをとった。中山越えまでは林道をからむ道で、そこからは尾根をたどる。岩場まじりの急登をこなすと経ヶ岳の山頂に着いた。有明海をはじめ素晴らしい展望。コーヒーを沸かして山頂で憩う。
下りは平谷越えを経由する山腹の迂回路を行き、中山越えへ。そこからは尾根と山腹の道をたどって金泉寺まで歩く。寺は改築されたばかりで真新しく、ここまで車道が通じていた。
多良岳を往復して中山キャンプ場へは12時半頃に帰り着きました。ちょっと歩いた気分である。
由布岳は2度目。前回は風が強くて西峰には登られなかった。今日は天気が良いので、ちょっと欲張って鶴見岳まで、足を伸ばすことにした。
北海道ならポン山とでも名付けられそうな飯盛ヶ城を経由、西峰へ登ってから塚原コースを下った。飯盛ヶ城の頂きの展望は素晴らしく、塚原コースは通る人も少ないらしい。公園の園路のようではなく、山道らしい山道だった。雲の去来する西峰の山頂から眺める東峰もなかなか良く、由布岳を満喫できた。
鶴見岳の登りは、疲れが出たのか遠く感じた。そんなわけで下山はロープウェイ。2時台のバスに間に合ったので由布院の温泉でゆっく過ごす。
国東の山は初めてである。 奇岩つづきの尾根歩きで、人気のあるこの山を選んだ。
標高もスケールもたいしたことないが、緑の中に秘められた岩場と険しさに圧倒された。
人気の理由が分かった気がする。面白い山だ。
中山仙境につづいて午後は国東半島の最高峰である両子山を登ることにした。
登り口は両子寺だが、境内を通るので拝観料200円を払わなければならない。京都に比べれば安いものだ。
山道の分岐を見落とし、頂上まで無線施設の作業道を行ってしまった。地形図では破線になっているが、これは立派な舗装道路。幅員も2mはあるので実線で表記されてしかるべきだろう。
帰路は山道にとり楽しんだ。終始張りめぐらされたトラロープはいただけなかったものの、それに頼らなければならない自分が情けない。よく滑る道だった。
見所は下のほうに集中してある。穿たれた岩に押し込めるように建てられた奥の院の伽藍は見応えがあった。
登り応えのある岩山としてここを選んだ。登り始めて教えられたのだが、大正初年に地元有志8人で切り開いた弘法大師霊場88箇所。このコースを訪ねることになった。各地にこのようなミニ霊場が設けられているが、これほど険しいものも珍しかろう。修験道の行場を思い起こさせる。
岩場自体は岩登りのグレードで言えばⅡ~Ⅲ級程度で、ほとんどハンドフリーで歩ける。危険な場所には鎖が設えられ、足場も刻まれているので心配ない。でも、中山仙境といい、ここといい、よく切り開いたものだと感心せずにはいられない。
九州の山々は里に近く、麓の人々の生活と信仰に密着していたのだろうと思う。
姫島へはカヤックで渡ろうとファルトボートを積んで来たのだが、風強く波高く、あきらめて朝一番のフェリーに乗った。
今日はたまたま「魚まつり」。昼弁当に食券を買うのに行列ができるとのことなので、それまでに矢筈山に登ることにした。買いそびれてはならないと急いで往復した。めでたく食券を手に入れてから、無料バスで島巡り。アサギマダラも見て弁当を食べる。
姫島はジオパークになっている。若い人も多く活気があって豊かな島だ。雨で中止になったキツネ躍りを見に再訪したいと思った。そのときはカヤックで。
山頂に雲をまとった山容は地味で全山緑におおわれている。白糸の滝から登り、上野越コースを下ることにした。
白糸の滝は落差20mほどで花岡岩の上を滑り落ちている。ここを過ぎれば、後は単調な登りがつづく。森林帯を抜けても霧で視界が閉ざされたまま頂上へ。風を避けて岩陰でコーヒーを沸かしていると、にわかに雲が切れて下界が見えた。遮るもののないこの景観が福智山の魅力なのだろうと、一人納得。
登山口まで下りて帰り支度をしている内に雨となり、たちまちしのつくばかりの大降り。九州山旅の最後の日も幸運に恵まれた。
阪急トラピックスの20周年記念沖縄格安ツァー(往復航空券・ホテル夕食2&朝食付き・レンタカー代含む4泊5日/39800円)にとびついた。今回の旅のテーマは3つ
・20数年前お世話になった知人を訪ねる
・沖縄の戦跡を訪ねる
・沖縄本島の最高峰に登る。
ということで与那覇岳へ。森林公園にナビを入れて行ったが、登山口は分岐を右にとった先の林道脇、駐車場と案内板がある。記念碑のある広場までは軽4幅の道。そこから先が山道になるが、植生と鳴く鳥の声が違うほか、本土の薮山と大差はない。頂上に展望はなく、往路を引き返す。自然保護のための管理や調査が行われているようだ。