八甲田山

2020.4.19/2012.4.20
2020.4.19/2012.4.20

 八甲田は八甲田山というピークがあるわけではなく、大岳を頭とするいくつかの山々の総称である。このなだらかで広い山域はまったくのスキー天国。ロープウェイが活用でき、下山後の温泉も楽しみである。この山々を自由に駆けめぐるには、車が2台欲しい。

 酸ヶ湯温泉から谷地温泉の間は冬期通行止めの他、夜間通行止めの道路もあるので調べておきたい。また、ロープウェイは20m/s以上の風が吹くと運行中止になる。

仙人岱ヒュッテ
仙人岱ヒュッテ


銅像ルート

 ロープウェイ山頂駅から小さな丘を越えて北側の谷間に滑り込む。高度を下げなければ、そのまま前嶽の南のコルに行くこともできる。コルからは北に向け、標識を拾いながら浅い谷間を滑っていく。この谷では数年前に雪崩事故があったが、そんな危険を憶えない。むしろそれのが怖いのかも。なだらかな斜面をどんどん滑って、雪中行軍遭難記念の銅像がある三叉路に出れば正解。どう滑っても環状道路に出るからコース取りにさほど神経質になることもあるまいと思う。

 フォレストコース、ダイレクトコースはBC気分の味わえるゲレンデだから特筆することもなかろう。

高田大岳を前に小岳を滑る
高田大岳を前に小岳を滑る
大岳環状ルート
大岳環状ルート
宮様ルートへ
宮様ルートへ

宮様ルート・大環状ルート

 山頂駅からは3本のルートがある。中央ルートは駅から南へ滑り込み、途中で城ヶ倉温泉へのルートを分ける。田茂萢岳の東から谷間へ入り、そのまま酸ヶ湯温泉まで下るのが宮様ルートとなる。途中でシールをつけなおし、大岳環状ルートを酸ヶ湯へと滑るのもよく、さらに大岳ヒュッテ、大岳へと登って行くのも楽しめる。まだやってないが、大岳の南斜面は一度滑ってみたいものだ。


箒場岱ルート

 山頂駅から歩き、赤倉岳と井戸岳の間から

箒場岱へと滑るのが通常のコースだが、我々は酸ヶ湯温泉から大岳環状ルートを登った。浅い谷を登りつめ、仙人岱ヒュッテを経て小岳でシールをはずす。そこから緩急交えた斜面を箒場岱へと滑った。

 既存コースにとらわれず、他にも色々とバリエーションが考えられる。八甲田は自由にルートを描ける山だ。北八甲田山岳スキールート図を参考にするとよいだろう。



八甲田山2020年(銅像ルート・宮様ルート・箒場台ルート)

ガイドツァーの一行
ガイドツァーの一行

 2012年4月20日に宮様ルートを登って大岳をピークハントし、環状ルートを酸ヶ湯温泉に下ったのが、八甲田との出会い

 2020年3月19日は正午過ぎに5人が合流し、ダイレクトコースを途中まで登ってスキー場へ戻った。夕刻に2人加わり酸ヶ湯温泉に泊まる。20日は悪天候で「八甲田山雪中行軍遭難資料館」の見学と「青森魚菜センター」ののっけ丼を楽しむ。その日からベースをモヤヒルズのケビンに移す。

視界が悪い
視界が悪い
銅像ルート
銅像ルート

21日、相変わらず強風(25m/s以上)のためロープウェイは動かず。30分待った後、ダイレクトコースを登る。山頂駅に着くと中は人で一杯。ロープウェイが動いたのかと思ったが、ガイドツァーの一行だった。強風と視界不良の中、銅像ルートを滑る。地形図で先読みをし、GPSで現在地を確かめながら行く。前岳とのコルを越えると、風裏に入ったのか風当たりも弱まり、視界もいくぶんかましになった。標識もたくさん現れ小休憩の後、一気に銅像茶屋まで滑った。

酸ヶ湯温泉
酸ヶ湯温泉
箒場台ルート
箒場台ルート

22日、初めてロープウェイが動いた。乗客が殺到して100人乗りの箱が一杯で、ピストンするが9時に並んだ我々でさえ3便目になり、後続が入口までつづいていた。天候がよく視界がきけば、こんな楽しいスキーコースはない。宮様ルートから大岳環状ルートを気持ちよく滑って酸ヶ湯温泉へ下る。この温泉裏はスキー場だったが、今はリフトもなく、草木が茂りかけていた。 

 午後に3人帰路につく。毎夜の宴会、仲間がいると楽しい。


23日、酸ヶ湯から環状ルートをたどり、樹林から浅い谷間をつめていく。途中避難小屋には入らず、そのまま地吹雪模様の小岳へ。大岳西側の大斜面は魅力的だが、今日の天気では面白くあるまい。小岳から新雪を滑る。今日一番のハイライトである。どう間違っても車道に出るからルートファインディングにさほど気をつかうこともなく箒場台へ。2台の車があるからこそできるルートどりである。


岩木山

2012.4.21/2020.10.27
2012.4.21/2020.10.27

 初めて岩木山を訪れたのは春。営業終了した百沢スキー場からスキーを履いて登った。ゲレンデもその上の広大な雪の斜面も独占滑り放題だと思うと、長い登りも苦痛ではない。それでも標高差は1200m弱、距離は5.5㎞ほどあるから楽ではない。1964年1月大館鳳鳴高校の遭難は有名だし、日本海から直接風の当たるこの独立峰は荒れると恐ろしい山となるだろう。頂上部だけ少しコースをはずして思い切り滑ることができたのは、好天のおかげである。スカイラインが開通して、リフトが使える頃、嶽・長平・弥生などのコースを行ってみたいものだ。

写真は2020年の秋に登ったもの           このときはリフトを使っての登山だから説明はいるまい              
写真は2020年の秋に登ったもの           このときはリフトを使っての登山だから説明はいるまい              


八幡平(源太森)

2012.4.17
2012.4.17

 後生掛温泉に泊り、翌日八幡平の源太森に登った。アスピーテラインは11月から4月下旬まで冬期閉鎖である。蒸ノ湯先の通行止めゲートから雪の台地に入る。ゆるやかな傾斜だが、とにかく長い。帰りの滑りを楽しみに樹林の中を登る。広い雪の原は自由に歩ける。源太森に着いたけど、視界に入る山々はまだ馴染みのないものだった。



八幡平(大黒森・茶臼山)

2020.3.24
2020.3.24

 八甲田山で散会してしてから、再び夫婦だけのみちのく二人旅。軽い所をと思って八幡平にやってきた。ガイドツァーのコースだから、たかが知れているだろうと思っていたのだが、これがなかなか。

 松尾鉱山跡を過ぎ、御在所と呼ばれるところが終点。ここから先のアスピーテラインはGWまでの開通めざして除雪中である。目の前に間歇泉のような水蒸気が吹きあがっているのが異様に思えた。ここは火山なのだ。

 八幡平スキー場跡から大黒森、茶臼岳、前山を経る周回コースをとる。背後の岩手山が南面とは違う猛々しい風貌を見せてくれる。天気は良い。ゲレンデ跡の広い斜面を登る。のんびり行って大黒森へ。山頂標識を探してさまよったが、それは高い場所にはなく、少し戻ったコース脇にあった。

 シールをつけたままコルへと下り、茶臼岳の登りにかかる。違うコースから先行していたツボ足の人に追いつき追い抜く。茶臼岳山荘という名の避難小屋に入り、昼食を兼ねて休憩した後、茶臼岳の山頂を踏む。

 頂上からはそのまま急斜面へと滑り込んだ。雪は適度にやわらかく危険は感じなかった。ここから前山を経ての長い滑降は楽しめた。逆コースのほうが良いかと思いもしたが、滑降距離に十分おつりがくる。途中からスキーのトレースがあったので、ここだけを滑りに来るのがガイドコースなのだろうか。除雪車が働くアスピーテラインを一度だけ横切り、駐車場所へと戻る。(八幡平温泉郷のときわ荘マグマの湯300円、家主不在で瓶に納金) 

麓に水蒸気が上がる
麓に水蒸気が上がる
スキー場跡を登る 背後は岩手山
スキー場跡を登る 背後は岩手山
茶臼岳山荘
茶臼岳山荘


森吉山

2012.4.18
2012.4.18

 営業を終了した阿仁スキー場を一人でひたすら登った。ゴンドラが稼働していれば標高差600m弱を20分程で行かれるものを。おまけに天気は良くない。1308mのコブに着いても雪まじりの濃いガス。途中の避難小屋で小憩したあと、頂上をピストンした。1308mのコブまで戻って、初めてシールをとる。長いゲレンデをうっぷん晴らしのように滑る。これと誰一人会わないという静けさが今日の報酬か。天気の良い日に再訪したいものだ。



岩手山

2012.4.15
2012.4.15

 岩手山は富士山や大山と同じコニーデ型の火山だ。焼走り国際交流村に車を置き、焼走りコースを登る。第一噴出口跡で同行のOは足の痛みでギブアップ。私は夏道を離れ、頂上東の外輪山の一角を目指し一人登る。シールをきかせて急な山腹にジグを刻む。外輪山に着くと雪が消えていたので、ここにスキーをデポして頂上を往復。雪は見えない所でつながっていて、スキーを置いてきたことを後悔したが間に合わない。

 山頂は360度の展望、東北の山々に無知な私は山座同定ができない。帰路の快適さとスピードは登りの労苦を差し引いて余りある。



大松倉山

2020.3.25
2020.3.25

 網張温泉スキー場から山に入るには簡単な登山届を書くだけ。「下山したら、報告くださいね」と言われるのは当然のこと。リフトを3本乗り継いだゲレンデトップは標高1320㍍で、そこから少しゲレンデを滑って山に入る。

 小山を一つ南側から巻いてコルへ。ここでボーダーに追いつかれた。大松倉山へは吹きっさらしの尾根となる。今日も風は強い。晴れているが足元から雪煙が舞う。ボーダーと抜きつ抜かれつして山頂へ。

 風の強い頂は居心地がよくない。シールをはずして早々に滑降に入る。後続のパーティがいくつか登ってきていたので、あまりみっともない滑りは見せたくない。ちょっと気合を入れてひと滑り。瞬く間にコルへと戻った。そのまま南東斜面に入ると古いシュプールが出てきて、標識まで現れた。どうやら古いスキーツァーコースらしい。風の当たりは弱く、降り注ぐ陽光が温かい。スキーを脱いで飲み食いしながら休憩。

 そこから、やや急な斜面を下りて少し進めば、そこはもうゲレンデの端だった。このコースを知っていたなら、大松倉山はもっと近かっただろう。あとは快適にゲレンデを飛ばし、回数券の残りを未練たらしく消化して、軽い半日を終えた。

      (網張温泉ありね山荘400円)

大松倉山が見えたがまだ遠い
大松倉山が見えたがまだ遠い
地吹雪模様の稜線 背後は岩手山
地吹雪模様の稜線 背後は岩手山


秋田駒ヶ岳

2012.4.14
2012.4.14

 最初に秋田駒に登ったのは田沢湖スキー場からだった。男岳への西尾根は、男女岳への最短距離だと考えたからである。でも、この西尾根はアイゼンとピッケルの世界でスキー向きではなかった。雪原となった阿弥陀池へと滑り込み山頂へ。帰路は、同行したOの計らいで別行動とし、田沢湖高原に滑らせてもらった。

ガイドツァーの一行
ガイドツァーの一行

 次はその高原側から登った。八合目小屋は経由せず、林道の途中から直接頂上を目指した。登り口のスキー場跡は開けていて、登下高を容易なものとしてくれる。ガイドツァーもここをベースとしていようだ。男女岳頂上から阿弥陀池小屋への滑降はあっという間だが快適で、その後も易しいクルージングとなる。人気の理由がわかる。

田沢湖高原のスキー場跡から  山頂は雲の中
田沢湖高原のスキー場跡から  山頂は雲の中
8合目小屋
8合目小屋


栗駒山

2020.3.26
2020.3.26

 前回は登山口まで行ったものの、猛吹雪のため車から出ることもできなかった。今日はそのリベンジ。快晴だったが風の強さは並ではなく、吹雪の日に登らなくてよかった。

  シェルターを抜けたところに広い駐車場がある。この先、夏の登山口になるイワカガミ平までは車道が通じているが、今は雪で通行止。適宜、車道をショートカットしながらス

キーをはいて登る。登山者は多いらしく、ツボ足やスキーの跡が多く残っている。

 イワカガミ平には避難小屋があったので、中に入り衣類をただして完全防御してから登る。ここから上は強風のためトレースは消えている。所々に現れるブッシュを避けながらひたすら登る。前方には雪煙を吹き上げる栗駒の頂が見えるが、なかなか近づかない。途中でスキーアイゼンを着ける。カリカリにクラストした尾根を強風に耐えながら登った。こんな日の頂上はタッチだけでいい。シールもアイゼンも外さないまま200㍍ほど下った西面の風裏でシールをはずす。

  滑降は適度な傾斜で楽しめた。ブッシュはあるものの但馬の薮山から見れば障害ではない。ひと滑りして、風当たりの弱い陽だまりで昼食にする。イワカガミ平から下は雪もゆるみ、テレマーク向き。駐車場脇の車止めまで滑って終了。 

        (新湯くりこま荘400円)



船形山 2020.3.16

2020.3.16
2020.3.16
升沢小屋
升沢小屋

 船形山の標高は1500㍍だから氷ノ山と同じである。ただし登高距離が7㌔㍍ほどあって長いのと、冬場に登頂するには天気に恵まれなければ難しい。それなのに登山口をまちがえて、1時間以上のロス。遅い登り始めになってしまった。

 旗坂野営場から升沢コースへと出発。林道をほんのわずか行った所に登山口がある。標識は30番から始まり、頂上が1番で終わる。昨日の雪で半ば埋もれた階段道をスキーで登る。旗坂平あたりからは雪も厚くなってきたので、帰りにここらまでは滑って下りられるだろうと思う。その先で、長靴で登って来た単独の女性に追いつかれ、先を譲る。三光の宮を過ぎた先でこの女性に追いついたが、道を失ったのかリングワンデリングをしたようなトレースがあった。この後、姿を見なかっ

たのでここから引き返したのだろう。迷いやすい場所には違いない。

 升沢小屋で正午前だった。昼食をとって、完全に着込んで頂上への最後の登りに備える。コースは夏道の沢を離れて右手の尾根にとる。上部でオープンバーンがあったが、雪崩を警戒して、左手の樹林を絡むように登る。急登を終えると平らになり夏道と合流。ここから頂上までの尾根がやたら長く感じた。ようやくたどりついた山頂は20m/s超の烈風で、立っているのも苦痛だった。脇にある避難小屋にも入らず、早々に山頂を辞す。風当たりの弱い所に戻って、シールを外して滑る。夏道の沢に入ると膝下のパウダー。これが今日の最高の時間だった。トレースは消え果てていたので、迷わぬよう注意して滑り、帰った。(鳴子温泉200円)



泉ヶ岳

2020.3.28
2020.3.28

 泉ヶ岳のスプリングバレースキー場がまだ滑降可能とのこと。行ってみると南面の泉ヶ岳スキー場に雪はなく枯草の斜面になっている。そこから2㎞も離れていないスキー場がやっているのだろうかと不安になる。 

 滑られるバーンは1枚のみ、それでもリフトが動いている。ゲレンデトップから浅い谷間をゆるやかに登っていき峠様の尾根に。ここで北泉ヶへ行くか泉ヶ岳へ行くか迷う。

 標高は北の方が高いが、やはり仙台市民の山である泉ヶ岳に敬意を表しておこうと南東への尾根をとる。途中で出会った人は、「スキーだったら北泉ヶ岳のほうが楽しめる」と我々の気をくじかせたが、めげずに頂上へ。頂上には雪のない南側から登ってきた数人の登山者がいた。スキーデポまで引き返し、灌木の合間の細い雪道を横滑りとボーゲンでこなす。峠からは一転し、気持ちよく滑って、そのまま一気にゲレンデを駆け抜けた。

雪が切れるのでスキーを置く 後方は船形山
雪が切れるのでスキーを置く 後方は船形山

 

(秋保温泉共同浴場300円)



蕃山

2020.3.29
2020.3.29

 

 太平洋フェリーの出港までの午前中に仙台の裏山、蕃山を散歩することにした。

 山岸登山コースの駐車場に車を置いて出発。梅の花を見ながら霜柱を踏む感触が懐かしい。低山とはいえ、なかなかの急坂を登らされる。無線中継施設が建つ頂は西風蕃山。西風は「ならい」と読むらしい。東風を「こち」と言うようなものだろうが、「ならい」は東北風にルビされることもあるので両方あるのだろうか

 ここから南に下って、小さなコルから蕃山に登り返す。標高は356㍍で西風蕃山よりやや低い。山頂に開山堂が建ち、仙台市街の展望がよい。この山頂に葬られた雲居禅師は伊達政宗に乞われて松島瑞巌寺の開山を行った

と伝えられている。雪と雲海、低山ならざる展望と雰囲気を楽しみながら、朝食をとる。 

 下山は栗生の住宅地へととり、歩道を歩いて駐車場へと戻った。

昨夜は雪だったようだ
昨夜は雪だったようだ


蔵王(地蔵岳)

上天気つづき。今日こそ雨、すなわち休養と思っていたが曇り空。さすがに、今日も登ろうという気にはなれず、観光と決める。朝の銀山温泉を散歩してから、蔵王温泉まで足を伸ばすとスキー場がなんとか営業していた。

  正午を過ぎていたが、ロープウェイを使って山頂駅へ。そこから30分足らず登って地藏岳の頂上に立った。樹氷コースのモンスターなど期待できる時期ではなかったが、その芯となるアオモリトドマツの立ち枯れがひどい。焼け跡のように枯れた木々の間を滑る気にもなれず、樹氷コースのゲレンデへ戻った。100万人のゲレンデから横倉の壁を滑り、薄くまだらにつながった雪を拾ってロープウェイ山麓駅まで滑ることができた。降り始めた雨で、ここのゲレンデもクローズされるだろう。温泉は共同浴場の上湯200円に入った。



月山・湯殿山

2012.4.10
2012.4.10

 月山スキー場は4月にならないとオープンしない。それまでは雪が多すぎて営業できないのである。ここのスキー場のリフトが使えれば、あちこちへと足を伸ばすことができるようになる。それにしてもこの山々の雪の量にはいつも圧倒される。アプローチの道路も両壁となって「雪の大谷」のようだ。

 私は2012年に志津温泉へのコース、2014年には湯殿山を経て自然博物園へ下るコースを滑った。志津も博物園もバスの便があり、その時間さえ調べておけば、スキー場へ戻るのは容易である。きわめて労力が少なく、それでいてたっぷりと滑ることのできるのは魅力である。

 月山の山頂あたりはクラストしていることがあり、シュカブラも見られる。雪庇の崩壊と雪面にできるクラックには注意したい。湯殿山の登りでは不気味な割れ目が数多く見られた。日照を受けた雪面はザラメとなり、実に楽しい滑降ができる。

 車が2台確保できるなら、庄内町への山越えなどやってみたいものだ。

拡大しなければスケールが分からない
拡大しなければスケールが分からない


朝日岳

2013.5.4
2013.5.4

 前日は雨で、麓の古寺鉱泉に泊まった。早朝に出て、朝日岳を往復する。標高差1000mほどでなかなかの長丁場である。枝尾根に出てスキーを履き、黙々と歩く。ハナヌキ峰の南コルにはテントが張ってあったが、今日は沈殿の様子だった。

 古寺山を越え、小朝日岳は北西斜面を巻いた。その上あたりからは昨日来まとわりつく雲の中。大朝日小屋も山頂もガスに包まれて展望はよくなかった。小屋には管理人がいたようだが中には入らず、山頂を往復した後、早々に辞す。

 下りはスキーの機動力が遺憾なく発揮された。イリソウカ谷の方へ少し滑り込んだりしながら、春の雪尾根を楽しんだ。

大朝日小屋
大朝日小屋


飯豊山

2013.5.5
2013.5.5

 飯豊山は大きな山だ。雪のある時には大日杉から登るのが一番近いと思い、ここのコースを選んだ。それでも標高差900mを稼いで地蔵岳を踏み、400mほど大又川に下ったあと、さらに飯豊山頂まで600m弱登り返すこ

とになる。っと言えばそういうことだから、ずいぶんとしごかれる。スキーを駆使しなければ1日では無理だと思う。

 幸運なことにスキーは登下降ともほぼ全行程で用いることができたし、谷筋の雪割れも危険なものはなかった。加えて大社沢の雪の状態は良く、この広大な斜面を我々だけで思う存分滑られたことは恵まれた山行と言うほかはない。

 ベースの大日杉小屋にはお世話になった。

大社沢を滑る
大社沢を滑る


西吾妻山・西大巓

2014.4.28
2014.4.28

 グランデコスキー場のリフトを乗り継いでゲレンデトップから歩く。樹林帯を抜け西大巓に立つ。シールを着けたまま下り、西吾妻小屋に立ち寄ってから山頂を目指した。平らで広い頂は山頂標識で、それと分かったが、なかなか見つけにくかった。

 帰路はシールをとって来た道を引き返し、西大巓の東山腹を横切った。樹林の中を滑り、ゲレンデを快調にとばしてフィニッシュとなったが、山頂からそのまま南へと下る二十日台コースというのがあるのを帰ってから知った。そちらを取ればよかったと思う。

 

越えてきた西大巓をバックに
越えてきた西大巓をバックに


箕輪山 2020.3.15

2020.3.15
2020.3.15

 3月14日の夕方近くに家を出て、約半月間の東北を山スキーと温泉を巡る旅に出た。相棒は相変わらずの古女房。舞鶴自動車道から北陸自動車道に乗り継ぎ、新潟手前のSAでダウンして車中泊。

 

  

  翌日、磐越自動車道を走り、まずは手ごろな山からと思って箕輪山を選んだ。西山麓の箕輪スキー場からリフトを用いて登り、山頂までは2時間足らずの距離だから足慣らしにはもってこいである。 

 雪が多ければ全山純白の斜面になるのだろうが、覚悟通りの寡雪で針葉樹林帯を抜けると、灌木が頭を出す斜面。これに引っかからないで滑るのは難儀だ。おまけにクラストしている。そう思いながら登りつめ頂上へ。

  まずまずの視界で、磐梯山や安達太良山がかすんで見える。北に吾妻山へとつながる雪の山稜も魅力的だった。下りはシールをとって灌木の合間を縫って滑る。第3リフトへとコースをとる選択肢もあったが往路を戻る。

灌木が出ている
灌木が出ている

 灌木群は案じたほどではなく、うまくこなすことができた。また針葉樹林帯の中はやわらかな雪のままだったので、快適。その勢いのまま一気にゲレンデへと滑り込んだ。 



磐梯山

2013.5.8
2013.5.8

 磐梯山ゴールドラインは11月中旬から4月中旬までは通行止めとなるが、5月に入っていたので車で登山口まで登る。八方台から中ノ湯跡を見て行くと、荒々しい櫛ヶ峰の岩肌が望まれる。この日は2日ほど春の雪が降りつづき、山は薄化粧。スキーが使えたのは重ね重ねの幸運。広い台地に出ると、もうひと登り。山頂からは猪苗代湖が眺められる。スキー場の開いている時期なら、この麓の猪苗代スキー場から東尾根をたどるコースもあるようだ。

 

頂上は近い
頂上は近い


安達太良山

2013.5.9
2013.5.9

 ロープウェイで行き、「ほんとうの空」の下、登る道に雪はなく、乳首山とも呼ばれる山頂を踏んだ。「あれが阿多多羅山、あの光るのが阿武隈川」と同行のOが智恵子の言葉をつぶやく。沼ノ平火口はいつか火山ガスによる遭難があった場所で荒涼としていた。スキーが使えたのは振子沢のみ。くろがね小屋に立ち寄り、無用の長物となったスキーを背に勢至平への道を歩いた。 



会津駒ヶ岳

2013.4.29
2013.4.29

 桧枝岐のロッジをベースに会津駒を登った。脇道に入った公衆トイレ前に車を置き入山。しばらくは林道を行くが、途中で上ノ沢に入り、浅い枝沢をつめていく。枝尾根に乗るとやがて夏道に合するのだが、すべては雪の下。森林から出ると気持ちの良い雪の尾根となり、やがて駒ノ小屋に着く。頂上は目の前で、そこからは源六郎沢の源頭に滑り込む。適当なところから徐々に高度を落としながら登路の尾根へと戻る。



雲の切れ間に早池峰山
雲の切れ間に早池峰山
2017.7.19
2017.7.19

 三陸海岸シーカヤックのピリオドとして登る。車のルーフにカヤックを積んで小田越へと車を走らせ、そのまま車中泊。

 翌朝早くに出発し、頂上を往復した。明け方まで降っていた雨は上がり、雲が時々切れて青空がのぞくという最高のシチュエーション。薄雪草は花弁を落としていたが、他にいくつもの高山植物が目を楽しませてくれた。道もよく整備されていて女房殿はご満悦。百名山はいつも登りやすい。9時頃には車に戻ったので、ちょうど朝の散歩といった気分。